2023年10月4日、文部科学省より「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」が公開されました。それに先んじる形で、新聞マスコミ各社が、過去最多や、何万人といった言葉を用いて、大々的に報道しています。しかし、それが「学校サイズや学級サイズでどんな肌感覚なの?」といったことについては、なかなか紙面を見てもわかりません。そこで、私は2016年から、不登校の子どもたちのための算数・数学動画コンテンツの制作と公開を行ってきましたので、文部科学省のデータから、毎年、分析をしてきています。第1回目は、不登校児童生徒数の経年変化を見るとともに、では実際に何人に一人が不登校であるかを算出したスライドを作成しました。
ポイントとしては、小学校は2年連続30ポイント近い増加率、2019年度から比較すると2022年度は約2倍の人数という点です。中学校では、在籍生徒数3,245,395人に対して、不登校生徒数193,936人となっており、約17人に1人が不登校なので、1クラスに平均2人程度の不登校生徒が在籍するという点です。
ちょうど、日本教育大学協会の研究集会(web開催、当番校:山形大学)が10月8日にあり、「『誰一人取り残さない教育』を実現するための ICTによる多様な子どもの学習支援」のテーマで発表しますので、発表スライド内容の更新とうまく時期があいました。
次回は、長期欠席児童生徒数について取り上げます。
投稿者プロフィール
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大阪教育大学卒業,大阪教育大学大学院修士課程修了,大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。
大阪府内の公立小学校勤務8年の後,佛教大学専任講師,助教授,准教授,教授を経て,現在,京都教育大学教育学部教授。
京都教育大学では,小学校教員養成,中・高等学校(数学)教員養成に従事。近年の研究テーマは「数学教育と脳科学」の学際的研究。
小学校勤務時代,クラスで豚を飼うといった取り組みを3年間実践。フジテレビ「今夜は好奇心」にて1993年7月放映。第17回動物愛護映画コンクール「内閣総理大臣賞」受賞,第31回ギャラクシー賞テレビ部門「ギャラクシー奨励賞」受賞。
著書に,「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房),「脳科学の算数・数学教育への応用」(ミネルヴァ書房),編著に「数学科教育法入門」(共立出版)などがある。
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