昨日、知り合いの小学校の先生から「割合の教育的意義って何でしょうか?」という質問を受けました。正直、こうした質問に答えるのが一番難しいと感じます。子どもが割合の問題で間違う特徴や、指導の際のポイントを聞かれたら、それなりに答えることができるのですが、「なぜ割合を教えないといけないのか」という問いは、本質を突いたものであるからです。割合は生活場面でも数多く出てくるものだし、中学校数学に進んだ時にも大事な考え方なのでといった回答は、実際のところほとんど何も答えていないのと同じです。中学校数学、高校数学ともなれば、「本当に生活のどの場面に登場するのか、もうこれ以上数学を学びたくないし」と、たちまちこちら側の論理が破綻してしまいます。
今回はせっかく重要な問いをもらいましたので、これから少しずつ私の考えを発信していこうと思います。
投稿者プロフィール
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大阪教育大学卒業,大阪教育大学大学院修士課程修了,大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。
大阪府内の公立小学校勤務8年の後,佛教大学専任講師,助教授,准教授,教授を経て,現在,京都教育大学教育学部教授。
京都教育大学では,小学校教員養成,中・高等学校(数学)教員養成に従事。近年の研究テーマは「数学教育と脳科学」の学際的研究。
小学校勤務時代,クラスで豚を飼うといった取り組みを3年間実践。フジテレビ「今夜は好奇心」にて1993年7月放映。第17回動物愛護映画コンクール「内閣総理大臣賞」受賞,第31回ギャラクシー賞テレビ部門「ギャラクシー奨励賞」受賞。
著書に,「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房),「脳科学の算数・数学教育への応用」(ミネルヴァ書房),編著に「数学科教育法入門」(共立出版)などがある。
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