今回は、2012年度~2021年度の公立学校教員の理由別離職者数の推移を取り上げます。図は、小学校、中学校、高等学校別の「定年(勧奨を含む)」と「定年以外」の離職者数の推移です。ここからわかることは、「離職者数の内、「定年以外」の理由の数は10年でそれほど大きく変化していない」「65歳までの随時定年延長のため、現在は青色部分の離職者数が隔年で激減している」「教員組織の年齢構成の変化による組織体制の再構築、役職定年などの制度の再設計が必要である」といったことかと思います。
一般的には、教員の離職率は他の業種と比較すると低いとされています。とはいえ、学級担任制を基本とする小学校で、担任の先生が離職されると、その影響はかなり大きいといえます。これに対して、離職率を下げる方向での対策を打つのか、あるいは、1年間を1名の教員が1つの学級を受け持つというこれまでの「学級担任制」を、異なる制度へと移行するのかといったことについては並行して議論していく必要があります。
それに伴い、小学校の教職課程の内容を制度に合わせていく必要も出てきますし、教員定数の問題も議論の対象となってきます。
なお、最新データでは、若い教員世代における離職者数の増加が指摘をされており、それらを含め、今後の動向に注意を向けて、舵取りを行っていかなくてはなりません。

投稿者プロフィール

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大阪教育大学卒業,大阪教育大学大学院修士課程修了,大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。
大阪府内の公立小学校勤務8年の後,佛教大学専任講師,助教授,准教授,教授を経て,現在,京都教育大学教育学部教授。
京都教育大学では,小学校教員養成,中・高等学校(数学)教員養成に従事。近年の研究テーマは「生成AIを用いた算数・数学教育」。
小学校勤務時代,クラスで豚を飼うといった取り組みを3年間実践。フジテレビ「今夜は好奇心」にて1993年7月放映。第17回動物愛護映画コンクール「内閣総理大臣賞」受賞,第31回ギャラクシー賞テレビ部門「ギャラクシー奨励賞」受賞。2008年には『ブタがいた教室』として映画化。
コロナ禍の中で、日本語及び多言語に対応した算数・数学動画教材約3,300本を制作・公開した取り組みにより、2022年第7回IMS Japan賞優秀賞受賞、2023年第3回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞(教育の部)受賞、2023年日本民間放送連盟賞(特別表彰 青少年向け番組)最優秀賞受賞した。
著書に,「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房),「脳科学の算数・数学教育への応用」(ミネルヴァ書房),編著に「初等算数科教育法序論」(共立出版),「オリガミクスで算数・数学教育」(共立出版)などがある。
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