2023年度の教員免許状授与件数は、普通免許状(特別免許状、臨時免許状除く)において、小学校26,952件、中学校44,949件、高等学校54,813件でした。

教員免許状授与件数

 一方で、2025年度公立学校教員採用者数は、小学校は17,078人、中学校は10,168人、高等学校は5,152人となります。そして年度がずれてしまうのですが単純に(採用者数/免許状件数)を計算すると、小学校は約63%、中学校は約23%、高等学校は約9%となります。なお、ここには私立学校の教員の数値は含まれていませんし、常勤講師や非常勤講師の数値も含まれていません。

(参考資料2)公立小・中学校教員の退職者数・採用者数の推移と見通し

2025年度公立学校教員採用選考試験の受験者数は、小学校は34,434人(競争率2.0倍)、中学校は36,621人(競争率3.6倍)、高等学校は19,705人(競争率3.8倍)となります。小学校だけは、受験者数が免許状授与件数を上回り、中学校・高等学校は、受験者数が免許状授与件数を下回っています。

(参考資料1)令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況等(第1~23表)

総合すると、小学校は確かに教員免許状を取得すればかなりの割合で教員になるけれども、中学校は私立学校を含めてもおそらく半数程度でなかろうか、高等学校は教員になるのが少数であるということでしょうか。したがって、小学校と、中・高等学校とは、議論を少し分けながら考えた方がよいのではないかと思っています。

ちなみに厚生労働省から示されている「第119回医師国家試験の学校別合格者状況(2025年3月14日)」によると、全体では、受験者数10,282人、合格者数9,486人、合格率92.3%、うち新卒者では、受験者数9,507人、合格者数9,029人、合格率95.0%とのことです。

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 この間、教員採用試験の競争倍率の低下や辞退者数の増加が、指摘されています。わが国として、どのような「教員養成・教員採用・教員育成」のシステムへとシフトしていくのかが問われていると思います。

 次回は、教員退職者数の推移と採用予定者の推移について読み解きたいと思います。

投稿者プロフィール

黒田恭史
黒田恭史
大阪教育大学卒業,大阪教育大学大学院修士課程修了,大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。
大阪府内の公立小学校勤務8年の後,佛教大学専任講師,助教授,准教授,教授を経て,現在,京都教育大学教育学部教授。
京都教育大学では,小学校教員養成,中・高等学校(数学)教員養成に従事。近年の研究テーマは「生成AIを用いた算数・数学教育」。

小学校勤務時代,クラスで豚を飼うといった取り組みを3年間実践。フジテレビ「今夜は好奇心」にて1993年7月放映。第17回動物愛護映画コンクール「内閣総理大臣賞」受賞,第31回ギャラクシー賞テレビ部門「ギャラクシー奨励賞」受賞。2008年には『ブタがいた教室』として映画化。

コロナ禍の中で、日本語及び多言語に対応した算数・数学動画教材約3,300本を制作・公開した取り組みにより、2022年第7回IMS Japan賞優秀賞受賞、2023年第3回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞(教育の部)受賞、2023年日本民間放送連盟賞(特別表彰 青少年向け番組)最優秀賞受賞した。

著書に,「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房),「脳科学の算数・数学教育への応用」(ミネルヴァ書房),編著に「初等算数科教育法序論」(共立出版),「オリガミクスで算数・数学教育」(共立出版)などがある。