この間、外国にルーツがある子どもたちの高校入試について、特別枠の設置、入試科目の軽減、日本語へのルビ打ちといった措置がとられ始め、その門戸を広げる取り組みが始まっています。非常に意義深いことであると感じており、昨日もKSB瀬戸内海放送で特集が放映されました。
と同時に、私が注目しているのは、入学後の学習です。入学はできたけれども、語学の壁や、学力の問題で高校での授業についていけないといったことが生じる危険性があります。実際、文部科学省による調査では、令和5年度の全高校生の中退率は1.4%であったのに対して、日本語指導が必要な高校生の中退率は8.5%と非常に高くなってしまっています。入試制度の改革とともに、入学後の学習支援をどう体制として保障していくのかが、今後問われていくと思います。
投稿者プロフィール

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大阪教育大学卒業,大阪教育大学大学院修士課程修了,大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。
大阪府内の公立小学校勤務8年の後,佛教大学専任講師,助教授,准教授,教授を経て,現在,京都教育大学教育学部教授。
京都教育大学では,小学校教員養成,中・高等学校(数学)教員養成に従事。近年の研究テーマは「生成AIを用いた算数・数学教育」。
小学校勤務時代,クラスで豚を飼うといった取り組みを3年間実践。フジテレビ「今夜は好奇心」にて1993年7月放映。第17回動物愛護映画コンクール「内閣総理大臣賞」受賞,第31回ギャラクシー賞テレビ部門「ギャラクシー奨励賞」受賞。2008年には『ブタがいた教室』として映画化。
コロナ禍の中で、日本語及び多言語に対応した算数・数学動画教材約3,300本を制作・公開した取り組みにより、2022年第7回IMS Japan賞優秀賞受賞、2023年第3回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞(教育の部)受賞、2023年日本民間放送連盟賞(特別表彰 青少年向け番組)最優秀賞受賞した。
著書に,「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房),「脳科学の算数・数学教育への応用」(ミネルヴァ書房),編著に「初等算数科教育法序論」(共立出版),「オリガミクスで算数・数学教育」(共立出版)などがある。
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