今回はさらに細かく、各学年の不登校と長期欠席の児童生徒を見ていきたいと思います。
まずは、一番上の表が不登校ですが、中学校の全学年と比較して、小学校の全学年での増加率が顕著です。各学年では、小学校1,2年生がより増加率が高くなっています。
次に、真ん中の表が長期欠席ですが、こちらも中学校の全学年と比較して、小学校の全学年での増加率が顕著です。各学年でも、小学校1,2年生がより増加率が高くなっています。
最後に、前年度からの不登校が続いているという不登校の長期化のデータですが、こちらも中学校の全学年と比較して、小学校の全学年での増加率が顕著です。各学年でも、小学校2,3年生がより増加率が高くなっています(1年生はありません)。
ちなみに、この表の小学校2年生の場合、実際には2022年度の児童総数が1,005,714人に対して、2023年度の児童総数が970,429人と3万人以上減少しているにもかかわらず、表を見ますと2022年度が3,112人、2023年度が4,534人となっており、145.7%という数値としての増加率になりますが、年度によって児童の総数がこれだけ減っていますので、実際の感覚はもっと厳しいものとなります。
不登校の低年齢化と長期化がかなりの勢いで増加しており、そのことは本人や家族の精神面と、本人の学力面に大きな影響を及ぼします。組織的・体系的な対応が早急に求められています。

投稿者プロフィール

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大阪教育大学卒業,大阪教育大学大学院修士課程修了,大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。
大阪府内の公立小学校勤務8年の後,佛教大学専任講師,助教授,准教授,教授を経て,現在,京都教育大学教育学部教授。
京都教育大学では,小学校教員養成,中・高等学校(数学)教員養成に従事。近年の研究テーマは「生成AIを用いた算数・数学教育」。
小学校勤務時代,クラスで豚を飼うといった取り組みを3年間実践。フジテレビ「今夜は好奇心」にて1993年7月放映。第17回動物愛護映画コンクール「内閣総理大臣賞」受賞,第31回ギャラクシー賞テレビ部門「ギャラクシー奨励賞」受賞。2008年には『ブタがいた教室』として映画化。
コロナ禍の中で、日本語及び多言語に対応した算数・数学動画教材約3,300本を制作・公開した取り組みにより、2022年第7回IMS Japan賞優秀賞受賞、2023年第3回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞(教育の部)受賞、2023年日本民間放送連盟賞(特別表彰 青少年向け番組)最優秀賞受賞した。
著書に,「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房),「脳科学の算数・数学教育への応用」(ミネルヴァ書房),編著に「初等算数科教育法序論」(共立出版),「オリガミクスで算数・数学教育」(共立出版)などがある。
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