前回は不登校数について見ましたが、今回は長期欠席児童生徒数の詳細を見ていきたいと思います。
まず、長期欠席児童生徒の数についてですが、これは先の不登校の数に加えて、「病気欠席、経済的な理由、その他」を加えたものになります。小学生では不登校数が130,370人であるのに対して、長期欠席数は218,238人と約1.67倍となります。中学生では不登校数が216,112人であるのに対して、長期欠席数は275,202人と約1.27倍となります。より小学生の増加の割合が大きく、実際の学校現場での感覚はこの数値に近いものとなります。
また、小学生は不登校では約47人に1人でしたが、長期欠席では28人に1人となり、中学生は不登校では約15人に1人でしたが、長期欠席では12人に1人となります。
学級単位で考えると、小学校は1クラスに約1人、中学校は1クラスに約3人の長期欠席児童生徒となります。
今年度は、学部4回生の教職実践演習を担当していますので、これらのデータは直近の講義で取り上げる予定です。厳しいデータが並びますが、実態を正確に把握してこそ、対応策を立てることができますので、様々な教育課題に対してどう対応していくのかという姿勢を学んでほしいと願っています。

投稿者プロフィール

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大阪教育大学卒業,大阪教育大学大学院修士課程修了,大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。
大阪府内の公立小学校勤務8年の後,佛教大学専任講師,助教授,准教授,教授を経て,現在,京都教育大学教育学部教授。
京都教育大学では,小学校教員養成,中・高等学校(数学)教員養成に従事。近年の研究テーマは「生成AIを用いた算数・数学教育」。
小学校勤務時代,クラスで豚を飼うといった取り組みを3年間実践。フジテレビ「今夜は好奇心」にて1993年7月放映。第17回動物愛護映画コンクール「内閣総理大臣賞」受賞,第31回ギャラクシー賞テレビ部門「ギャラクシー奨励賞」受賞。2008年には『ブタがいた教室』として映画化。
コロナ禍の中で、日本語及び多言語に対応した算数・数学動画教材約3,300本を制作・公開した取り組みにより、2022年第7回IMS Japan賞優秀賞受賞、2023年第3回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞(教育の部)受賞、2023年日本民間放送連盟賞(特別表彰 青少年向け番組)最優秀賞受賞した。
著書に,「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房),「脳科学の算数・数学教育への応用」(ミネルヴァ書房),編著に「初等算数科教育法序論」(共立出版),「オリガミクスで算数・数学教育」(共立出版)などがある。
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