先の「不登校を巡って①」のデータの中で、平均すると小学生は約59人に1人が不登校といった数値に、「あれっ?」と感じられた先生も少なくなかったのではないかと思います。学校現場では、もっと不登校児童数が増えているというのが実感ではないでしょうか。
文部科学省のデータには、不登校数とは別に、長期欠席児童生徒数というデータが公表されています。長期欠席児童生徒数とは、不登校数に加え、病欠、経済困窮、コロナ回避、その他といった人数が加算されます。すなわち、様々な理由で学校に来ていない子どもたちの総数と言えます。
この数値の経年変化をスライドにまとめました。データを見るポイントとしては、小学生では、長期欠席児童数が不登校児童数の約2倍であること、2021年度にコロナ化の影響もあって前年度比59ポイント増という急増が見られたが、その数値レベルが2022年度も継続していること(いわゆる高止まり)、平均して小学生は32人に1人、中学生は12人に1人が長期欠席児童生徒なので、小学校では1クラスに約1人、中学校では1クラスに約3人の長期欠席児童生徒が在籍することです。
次回は、長期化する不登校について取り上げます。
投稿者プロフィール
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大阪教育大学卒業,大阪教育大学大学院修士課程修了,大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。
大阪府内の公立小学校勤務8年の後,佛教大学専任講師,助教授,准教授,教授を経て,現在,京都教育大学教育学部教授。
京都教育大学では,小学校教員養成,中・高等学校(数学)教員養成に従事。近年の研究テーマは「数学教育と脳科学」の学際的研究。
小学校勤務時代,クラスで豚を飼うといった取り組みを3年間実践。フジテレビ「今夜は好奇心」にて1993年7月放映。第17回動物愛護映画コンクール「内閣総理大臣賞」受賞,第31回ギャラクシー賞テレビ部門「ギャラクシー奨励賞」受賞。
著書に,「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房),「脳科学の算数・数学教育への応用」(ミネルヴァ書房),編著に「数学科教育法入門」(共立出版)などがある。
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