このグラフは、総務省による現在の総務省統計局「日本の統計 第2章 人口・世帯 年齢各歳別人口(令和3年版)」をもとに、厚生労働省「日本の将来推計人口 人口動態統計速報」(令和4年12月分)令和5年2月28日のデータを加えて作成したものです。0歳児から14歳児までの年齢各歳別人口(万人)です。国の人口問題を担う国立社会保障・人口問題研究所「人口問題研究資料第336号(平成29年7月31日)」による2017年時点の予想では、年間出生数が80万人を下回るのは、2033年としていました。しかし、実際には2022年に79万9,728人と、80万人を下回るのが11年も前倒しになりました。2017年生まれ(現小学校2年生)以降の減少数が大きく,ここ数年内に幼稚園,小学校,中学校の順に,園・学校の統廃合・義務教育学校化が加速される可能性があります。幼稚園では待機児童問題と、私立幼稚園の存続問題が並行して生じてきそうです。その次は、小学校の統廃合、義務教育学校への移行が予想されます。
 この間、国立大学の教育学部が、中・高等学校教員養成から小学校教員養成へとシフトしていますが、今後これらの成否が厳しく問われるようにも感じています。京都教育大学では、特定の校種への特化ではなく、校種間の人数バランスを最重要視しながら未来に向けた舵取りをしているところです(終了)。

投稿者プロフィール

黒田恭史
黒田恭史
大阪教育大学卒業,大阪教育大学大学院修士課程修了,大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。
大阪府内の公立小学校勤務8年の後,佛教大学専任講師,助教授,准教授,教授を経て,現在,京都教育大学教育学部教授。
京都教育大学では,小学校教員養成,中・高等学校(数学)教員養成に従事。近年の研究テーマは「数学教育と脳科学」の学際的研究。

小学校勤務時代,クラスで豚を飼うといった取り組みを3年間実践。フジテレビ「今夜は好奇心」にて1993年7月放映。第17回動物愛護映画コンクール「内閣総理大臣賞」受賞,第31回ギャラクシー賞テレビ部門「ギャラクシー奨励賞」受賞。

著書に,「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房),「脳科学の算数・数学教育への応用」(ミネルヴァ書房),編著に「数学科教育法入門」(共立出版)などがある。